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JALどうする

このところ報道がかまびすしいJALの経営問題。
私はマイレージの関係で、基本的にはANAに乗るようにしているが、先月今月は急な帰省が何度もあったため、価格比較のためJALの値段も何回か調べたのだが……。

ANAの場合、サイトに行って、日付と目的地を入力し、空席検索し、いい便があれば予約し、と、そこまで進んだ段階で、「帰りの便も取りますか?」という選択肢が出てくる。必要なければそのまま片道の券を買える。

しかしJALの場合、日付と目的地を入力し、空席検索し、よしこれを買おう、と思っても、有無を言わさず帰りの便の検索画面に進んでしまう。片道だけ買いたくても、購入に進む方法が見あたらない。なんだよこれ、と思いながら、バックボタンを押して頭に戻ると、最初の画面に「旅程」というラジオボタンがあるのに気づく。ここをデフォルトの「往復」から「片道または1区間」に切り替えないと、片道の切符は買えないのである。

しかもお粗末なのは、ラジオボタンを変更すると、出発地・目的地、出発日、クラス、等の選択がリセットされてしまうことだ。なので、また別の日にJALのサイトに来て、行き先を選び、日付を入れて、ああそうだ、片道にしなくちゃいけないんだった、と気づいてラジオボタンを押すと、行き先と日付の入力が水泡に帰してしまい、がっくりする。

こういうのって、使い勝手のキホンのキだと思うのだが、そういう点すら改善されないままになっているというところに、JALの苦境を感じてしまう。JALにサービス精神がないとは決して思わないが、システム投資の余裕がないのかなぁ、それともユーザビリティのチェックに人を割けないのかなぁ、などと邪推してしまう。今回のような(緊急融資云々)報道が出ると、やっぱりなぁ、などと思ってしまう。

そんなJALを巡って、アメリカン航空とデルタ航空の綱引きも熾烈なようだ。最初デルタの名前が挙がったときには、「うわー、西松社長やるなぁ。ワンワールド陣営にいるのに、お金を出してくれるならスカイチーム陣営のデルタと組むんだ」と、そのしたたかさに舌を巻いたが、報道によると、いやがる日航幹部を説き伏せデルタと組めと言ったのは国交省らしい。アメリカンじゃお金ないから助けられない、ということか。ところが数日後、アメリカン航空が、英国航空とカンタスまで巻き込んで支援する、という話が出てきた。ワンワールドの盟主であるアメリカンとしては、そうほいほいと他陣営には渡さない、ということなのだろうが、BAとカンタスまで出てくる、その気合いの入り方に、ちょっとびっくりした。

世界の航空陣営は、ルフトハンザやANAがいるスターアライアンスと、ワンワールド、スカイチームの3つだが、日本には国際線を飛ばす大手はJALとANAの2社しかない。したがって、航空陣営のうち1つは、日本のメジャーキャリアを取れないことになる。ワンワールドとしては、JALをスカイチームに取られたくはないのはわかるが、それにしてもずいぶんな力のいれようだ。

と思ってもう少し考えてみると、韓国のフラッグキャリア大韓航空はスカイチームの重要な一員だし、2位のアシアナはスターアライアンス。中国の3大メジャーのうち中国国際はスターアライアンス、中国南方はスカイチーム。中国東方はワンワールド入りが噂されてはいるがまだ実現していない。台湾の中華航空は、頻発する事故でイメージが悪いし、マイルで関係の深い航空会社はスカイとスターが中心。エバー航空はANAとの関係が深いので、ワンワールドやスカイは入りにくそう。

香港のキャセイはワンワールドだが、東京、北京、ソウルといった北東アジアでの存在感はもうひとつだ。そう考えると、ワンワールドがJALを死守したい気持ちもわからなくもない。一方デルタは、巨大空港仁川をハブに稠密で膨大な路線網を持つ大韓航空を押さえているから、巨額の投資をしてJALを救うインセンティブはもうひとつなような気もする。と考えると、結局デルタの出資はありえず、しかしアメリカン・英国航空に余力があまりないとすると、JALは自力でなんとかするしかない。

OBの年金を減額すれば復活するのだろうか? なんだかその昔、アメリカのフラッグキャリアだったパンナムが破綻したことを思い出す。といって、よくスポーツ新聞を賑わすANAとの合併話も、ちょっとないんじゃないかと思う。ANAとしては、人口減少、高齢化が進む日本市場に、JALを取り込んで今の2倍というレベルの路線網など、持ちたくないだろう。もっと筋肉質で、成長が見込める国の需要を取り込める会社でないと今後生き残れないだろう。いっそスカイマークが採算路線だけを引き継ぐ、くらいの刷新をかけたほがいいような気がするのだが、飲み込むにはJALは大きすぎるのが難しいところだ。

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