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この恐慌の先

金融市場がこの世の終わりのような状況になってきた。しかも、一足先にバブルを経験した日本の知恵を借りようとしたのが、悪化に拍車をかけているようにも見える。

日本は1990年のバブル崩壊で痛い目に遭い、最後は銀行に強制資本注入をして乗り切った。今、自分の国の金融がたいへんなことになっている欧米各国が、「日本がやったことを大急ぎでやれば、早くカタがつく」と考えるのは自然だし、日本もG7で政府による資本注入を提言するようだ。しかし、日本で本格的な資本注入が行われたのはバブルが崩壊して9年も経った1999年で、それまでの間、銀行は、超低金利(による顧客への利息支払いの減少)と貸し出し金利の差分で大量の利益を出し、それで不良債権を徐々に減らしてきていた。資本注入をしたのは、処理のかなり終わりに近い段階で、だからこそ、7.5兆円が大きな効果を上げたといえる。

しかし、今の欧米各国においては、バブルは崩壊したてで、不良債権額はマックス(あるいはこれからもまだまだ増える?)だ。そこで急いで資本注入をしても、まったく足りない。実際、イギリスは8日に9兆円の投入を決めたが、株価もポンド安にも歯止めはかかっていない。伝家の宝刀をここで切ってしまって、効果がないということが知れてしまうという、最悪の状況になっている。

いずれにしても、中央銀行や政府がいくら金を突っ込んでも、不良債権が片付かないかぎり信用収縮は収まらないし、その間は景気は上向きはしない。借金をして宴を開いてしまったのだから、しばらくは借金を返すしかない。日本は宴に加わらなかったぶん、借金をせずにはすんだが、世界の景気が悪化すれば日本も好景気にはなれない。救いは、おそらくすごい円高になることで、物価にかなりの下押し圧力がかかり、実質賃金が上昇するかもしれない、ということだが、世界に物が売れないデメリットとどちらが多いだろうか。

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