リニア長野県迂回はありうるか?
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100428/biz1004281219006-n1.htm
リニアが3年ほど延期で、名古屋開通が平成40年ごろ。
理由は、新幹線の乗客数落ち込みでJR東海の予算が厳しくなったからのようだが、雰囲気的に「長野がごねてるから?」と思う人も少なくないんじゃないだろうか。
で、5日も前の記事で恐縮ですが。
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100322/lcl1003221801001-n1.htm
リニア長野迂回、という話を、よりによって長野支局長の人が書いている。
前から2chではよくネタとして上がっていた話ではある。
なるほど、長野を通らないようにルートを組むことはできる。
山梨県から南にカーブし、静岡県北部の山岳地帯を抜ければいい。
静岡の山奥なので、静岡県は、駅を作れとは言わないだろう。
静岡県にとっては、リニアができれば新幹線は中距離の移動手段になるので、今通過されて悔しい思いをしている「のぞみ」はなくなるか、もし残っても、静岡に原則止まるようになるだろう。
つまり、早くリニアにできてほしいわけなので、JR東海と利害が一致する。
そんなこともありうるのか、とも思ったが、地図を見ると、問題が多そうだ。
まず、このルートにすると、岐阜を通らなくなる。今度は岐阜が大騒ぎするだろう。
……ただ、岐阜はその後の大阪延伸の際にもかすらないから、いくら騒いでも無視、という選択肢はあるかもしれない。
もっと問題なのは、路線長がかなり長くなることだ。ざっと見た感じでは、A/Bルートほどにはならなさそうだが、それでもかなりのダメージだ。A/Bルートだったら、長野県に差額負担を要求するのは筋が通った話になるが、このルートだと全額JR東海だろうから、ただでさえお金がないところにこれはつらい。
そうしたことを考えると、JR東海としても、たとえブラフとしても、このルートを口には出せない事情がうかがえる。
また、トータルで見ても、山梨の次は名古屋まで駅がないことになるのでバランスも悪い。現行案では、飯田と中津川にとってプラスになるが、静岡迂回ルートだと首都圏と名古屋だけが恩恵を受ける形になる。
つまり、「第4の有力候補」ではけっしてない。が、「長野を通ることがどうしてもできない」ような状況下では、検討に上ることはありうるだろう。
しかし、仮にそんな状況になったら、飯田地方の人々は大激怒するだろう。場合によっては、南長野がまとまって静岡か愛知への越境合併、または、長野からの分離独立を言い出すかもしれない。越境合併は、逃げられる側と受け入れる側の両方の合意が必要だったと思うので、長野がうんと言わないとダメだが、それはないだろうから、すごい泥沼になりそうだ。
県内をそんな分裂した状況にするくらいなら、最終的には長野はC案で折れるのではないだろうか。そこまで見据えて、第4の案を口にするという、リスクのある戦略をJR東海がいつ取るかが、今後の注目と言えそうだ。