ユーロの適正水準を考える
昨日、豪ドルは悪くないかもと書いたら、今日は57円まで落ちてしまいました。まだまだ読みが甘いですね。
さて、今日のお題はユーロ。午後10時現在では117円だが、さきほどは113円台まで落ちたようだ。昨日127円だったことを考えるととんでもない落ちようだが、まあ、ビッグマック指数的にはユーロは83円が適正なので、まだ安いとは言えない水準だ。
とはいえ、83円が適正なのかどうかは微妙なところだ。というか、それは安すぎるような気がしないでもない。日本はバーガー屋の競争が激しく、特にマックは、アメリカ本国のメニューのしばりがあるから、モスみたいな思い切った高級化はもちろん、ロッテリアのような日本市場向けの商品投入もなかなかできないから、どうしても値段で勝負せざるを得ない――つまり、値段が下がりやすいという環境があるかもしれない。――つまり、ユーロはここまでは落ちないかもしれない。
では、いくらなら適正なのか。
さっき、いい方法が見つかった。
ユーロは1999年に、ドイツ、フランス、イタリア、スペインなどで導入されたわけだが、その際、従来の現地通貨(マルク、フラン、リラ、ペセタ等)の表示をユーロに切り替える必要があるので、「ユーロ変換レート」が設定された。たとえばフランスだと、1フラン=0.1524ユーロ、という式で変換が行われた。6.5フランのコーヒーがだいたい1ユーロのコーヒーに変わったことになる。
したがって、この式を逆にあてはめると、今のユーロ水準をフランやマルクに置き換えることができる。1ユーロ=115円だと、1フラン=17.53円水準になる。これはですね。ユーロ以前にフランスに行ったことある方にはイメージできると思いますが、結構フランが安い状態です。1990年代だと、1フランは20円が普通で、一番安い(円が高い)ときで15円、円が弱いと24円とかになっていました。
えと、今調べたら、フランスフランは固定相場制の末期、1968年当時、1フラン=66円相当のようです。ただフランは戦後一貫して対ドルでのレートを下げており(したがって対円ではもっと下げており)、このあとも価値は下がっていったようです。1990年以前の日本円とのレートの表を見つけられないのですが、1990年以降について言うと、一番高いときで28円、一番安いときで13円ちょっとのようです。なので、20円が標準、15円なら円高という感覚は、まあまあ妥当だと思います。
だとすると、今17.5円なのだとすると、下落余地はあと少しかもしれません。フラン13円が底だとすると、ユーロは85円まで、ということになります。あれ、案外ビッグマック指数に近い値ですね。
80-90年代にドイツとかイタリアとか行ったことあるかた、同じように逆算して、体感を教えてください。