広島長崎共催案の真の意図が読めた!
2020年オリンピックに広島・長崎の共催案。
が出たと思ったらIOC委員が「五輪憲章では1都市となっている」という、まるでどこかのお役人のような意見を表明したらしい。まあ、そこをどう乗り切るかが腕の見せ所というところだろうが、そこでふと、読めてしまった。
1つの都市でなくてはならない、という規定があるということは、オリンピックは開催する都市が持つ文化などを反映した特徴あるものであるべき、というような理念があるように感じられる。ただその意味で言えば、広島と長崎は、きわめて強力な「一致する特徴」があるので、1つの都市ではないものの、「1つの都市に準ずる」くらいの理解はなんとか得られるだろう。
しかし、より現実的な懸念、つまり、「開催地が複数都市に分散すると、会場間の移動に時間がかかる」という点も、禁止している理由に入っているはずだ。ここがクリアできれば、共催の可能性は上がるというわけだ。
さて、広島・長崎間の現在の所要時間は新幹線とかもめで3時間15分ほど。結構な時間だ。ただ、たとえ1都市での五輪であっても、散らばった競技場間の移動にはそれなりに時間はかかろう。都市交通が未整備であれば、1時間では移動できないこともありそうだ。したがって、広島=長崎間を1時間強で移動できるなら、「1都市開催並みの交通の便」と強弁できるのではないか。 どうすればいいか。飛行機? ノンノン。広島も長崎も、空港の場所の不便さでは人後に落ちない。それに、キャパ的にも問題がある。もうおわかりだろう。解決策は、
長崎新幹線全線フル規格での開通しかない!
広島から福岡までは、新幹線で1時間である。その先の鳥栖までも、2011年3月には九州新幹線によって直通できる。鳥栖まで1時間10分くらいだ。しかし、そこから先が長い。在来線では1時間半以上かかる。トータルでは3時間近い。現在着手している武雄温泉=諫早間のスーパー特急線ができても2時間半がせいぜいだろう。
しかし、博多=長崎の距離は150kmほど。 新鳥栖=長崎間をフル規格で建設すれば、評定速度220で走れば博多=長崎は40分で行けるだろう。となれば、広島=長崎間は1時間40分ほどで結ばれることになる。 思えば長野新幹線だって、当初はスーパー特急の予定だったのに、五輪招致が決定したのでフル規格になったではないか。つまり、この共催案というのは、長崎新幹線全線フル規格化を推す勢力の深慮遠謀に違いない!!!
…なわけないですね。
まあ、現実問題、FGTが実用化されて、切り替え時間が本当に停車時間に紛らわせることができるのなら、博多=佐賀間の所要時間についていえば、鳥栖以降をフル規格化するメリットはあまりないだろう。鳥栖=佐賀間はそれほどの距離ではないし、線形もよい。ただ一方、鳥栖=佐賀=武雄温泉まで思い切ってフル規格化すれば、(スーパー特急の諫早線を作る前提で言えば)、長崎、早岐、佐世保の各所への速達性を提供するのも事実。諫早=長崎もスーパー特急で我慢して、早岐・佐世保は線形改良で、というくらいが、投資効果的にはちょうどよかったりはしないだろうか。