iPhone 5sの64bit CPUの意味は
iphone 5sは、CPUが64bitだそうで、ちょっとびっくりしました。
最初に思ったのは「それ意味あるの?」ということ。というのも、CPUを64bit化することによる最大のメリットは、4GBを超えるメモリ空間を扱えること(いいかえると、4GBを超えるメモリを扱うようなアプリは大幅に高速化する)なわけですが、iPhone 5sのメインメモリは……今のところ不明なようですね。でも、iPhone 5が1GB(ストレージ容量じゃないので誤解なきよう)だそうですから、2GBとか、百歩譲って4GBはあるとしても、8GBはないでしょう。つまり、32bit CPUで十分アドレッシングできる容量なわけで、将来に備えるということでは意味はあるでしょうが、今回はとりたてて意味があるとは思えません。
と思いつつwikiを見たら、ARMの64bitアーキテクチャは、レジスタを16個から31個に増やしたほか、SIMD拡張命令も大幅に強化される、とのこと。なるほど、そうであれば、64bitコードのほうが速くなりますね。また、64bit CPUになると、命令語が長くなって、メモリ帯域をムダに圧迫して逆に遅くなるのではという不安もありましたが、命令長は32bitのままということなので、その心配もないと。
32bit命令にあった条件付き実行命令が削除されるらしいので、これは、パイプライン設計上はかなり楽になるような気がします。もっとも、32bit命令の互換機能は当分持たせないといけないと思うので、64bitのときだけ別の実行パイプラインを使える、みたいなことができないと意味はないのかな?
まぁ、メインメモリが4GBを超えるのも時間の問題でしょうから、OS含め早めに移行に着手するのは正解でしょう。