ドルの前にポンドが崩壊?
米ドル基軸通貨時代が終わる、とあちこちで(私が見ている情報源では…)書かれているが、まだドルは88円。史上最安値にはあと10円のマージンがある。
今日はどういうことか、英ポンドが暴落している。
調べてみたら、英ポンドの史上最安値(たぶん。1984年以前のデータがないからわからないけど)は、1995年の131.0591円、なのだが、今のレートは133.6。3日前までは139円だったのに。この調子では史上最安値を突っ切って120円台突入も時間の問題に見える。
アメリカには、(いまや金融部門が事業の中心とはいえ)GEのような製造業があるし、つぶれそうとはいえ、ビッグ3がまだ世界ではそれなりのシェアを持っている。シリコンバレーには優秀なハイテク企業がある。農業生産もすさまじい規模だし、原油も結構出る。それに比べイギリスには何があるだろう。外国企業に工場を作ってもらって雇用を維持し、成長はシティの金融パワーに依存してきた。金融が消えればもう、何も残っていないのではないか。ついに、ギリシャやポルトガルのように、「帝国の終焉」を迎え、没落の坂道を本格的に下りはじめるのではないだろうか。対円での史上最安値の更新は、それを象徴しているのではないか。この数年、これからは日本も金融立国だ、などという意見がまことしやかに語られたものだが、ことここに至れば、そんなものはやはりまやかしで、最後の経済的なシャブでしかなかったように思える。
以前、某日本の巨大家電メーカーに就職した友人が、イギリスの工場に海外赴任させられていたことがあり、一度遊びに行ったことがある。「とにかくやつらは働かない」とぼやいていたのを思い出す。
念のために書いておくと、私は別にイギリスに悪意も敵意もないし、観光には何度でも行きたいと思っていますが、産業はどうなのだろうかと、思います。
BP、ロイヤルダッチシェル、テスコ。北海油田が少々。喘息持ちとしてはグラクソ・スミスクラインを産んでくれた国には足を向けては寝られませんが。